タバコと腰痛の意外な関係@喫煙者は気をつけよう!
日頃から腰痛に悩まされている人の中には、喫煙をしている人もいるはずです。気分転換やストレス発散など、たばこを吸う理由はたくさんあるかもしれませんが、やはりたばこは「百害あって一利なし」。たばこがもたらす健康被害も数多くありますよね。
その一つに、腰痛があることをご存知ですか。中には、「腰を使っていないのに腰痛になるの?」と思う人もいるかもしれません。そこで今回は、たばこと腰痛の意外な関係をご紹介いたします。もちろん喫煙者だけではなく、たばこを吸わない人もぜひ参考にしてみてください。
たばこと腰痛の関係
たばこと腰痛、一見して関係が無いように思えますが、実は喫煙している人は『椎間板』が老化しやすいと言われているのです。では、なぜたばこで『椎間板』が老化するのでしょうか。それは、ニコチンによる血行不良が関係しているのです。
椎間板は、背骨と背骨の間にあってクッションの役割を果たしています。椎間板には血管がありません。栄養分は椎間板の周囲の血管などから吸収しますが、喫煙によってこの血管も収縮を起こして血のめぐりが悪くなり、栄養が行き渡らなくなって椎間板が変性(老化)するのです。
また、『椎間板』はコラーゲンで作られています。そのコラーゲンは、ビタミンCにより産生が促進されるのですが、たばこを吸うことでビタミンCが不足し、コラーゲンの産生量が低下してしまいます。
長年喫煙をすることでビタミンC不足が続き、『椎間板』の老化が早まると言われているのです。『椎間板』の老化が早まると、『椎間板ヘルニア』『腰部脊柱管狭窄症』『腰椎すべり症』の原因にもつながります。
腰痛の改善は禁煙が一番
では、たばこが原因の腰痛を改善するにはどうしたらよいのでしょうか。やはり腰痛の改善には「禁煙」が一番です。禁煙をすることで腰痛だけでなく、不眠症やがんのリスクも高めます。
1日に1箱以上吸うヘビースモーカーにとって、禁煙は難しいかもしれませんが、自分や家族の健康を考えてみてください。
ニコチンはどれくらいで体内から抜けるのか
毒性の強いニコチンですが、たばこを吸った時の開放感は数分で消滅してしまいます。
そして『コチニン』として体外に抜けるまでに30時間と言われ、3日もあればニコチン自体の魔力は薄れてしまいます。しかし、完全に体内のニコチンを無くそうと思えば、半年から1年程度は必要です。
腰痛だけではない禁煙のメリット
禁煙のメリットは腰痛が改善するだけではありません。禁煙をすることで、さまざまなメリットが期待できるのです。
■禁煙のメリット
- 健康に対する不安がなくなる
- 肌がきれいになる
- 朝の目覚めがよい
- 虫歯、歯周病、口臭の軽減
- ストレスの軽減
少しずつ禁煙をする
「禁煙するぞ」と思っても、何度も禁煙に失敗しているという人も多いのではないでしょうか。ベビースモーカーで1日2~3箱吸っていたのを、いきなり0にすることは厳しいかもしれません。
まずは、半分くらいに減らしてみることを目標にしてみてください。また、今では「禁煙外来」もあるので、医師の指導のもときちんと禁煙に取り組むもの良いかもしれません。
禁煙者も注意
以前と比べると、喫煙者もずいぶんと減ってきました。しかし、たばこを吸わないからと言っても安心はできません。自分はたばこを吸わなくても、周りにたばこを吸う人がいれば煙を吸い込むことで、腰痛の原因にもなるのです。
火がついたタバコから出る煙は『副流煙』と呼び、ときに喫煙者本人よりも健康に影響を与えてしまう可能性がります。そのため、たばこから出る煙を吸わないようにすることも大切です。
とはいえ、家族であれば「禁煙して」「外でたばこは吸って」と言えても、知らない人にはなかなか言えないものですよね。喫煙できる場所が限られているとはいえ、場所によってはたばこの煙やにおいが気になることもあるはず。
そんな時は、マスクなどで予防するのも方法です。ただし、花粉用のマスクではダメ!たばこの煙は「PM2.5」に分類されます。花粉よりももっと小さな粒子なので、「PM2.5」に対応したマスクを付けるようにしてくださいね。
まとめ
たばこは気分をリラックスさせてくれる嗜好品ではありますが、様々な健康被害をもたらします。腰痛もまたその一つです。さらに、『椎間板ヘルニア』による入院患者の約7割が喫煙者というデータもあり、ニコチンが腰へ与える影響は大きいと考えられます。
腰痛の改善にはやはり禁煙すること。自分だけでなく、家族の健康のことも考えてみてください。今まで禁煙したけれども失敗したという人は、いきなり禁煙をするのではなく、少しずつ本数を減らしていくのも一つの方法です。
もちろん、禁煙外来を受診するのも良いかもしれません。腰痛で悩んでいる人は、これを機会に頑張って禁煙してみてはいかがでしょう。