肩こりを原因・猫背体型を解消するストレッチ方法をプロが解説
パソコン作業、スマホの見過ぎ、テレビゲームのやり過ぎなど、頭や首を前にした姿勢で固定して生活する動作の多い現代人は猫背体型が非常に多いです。
そもそも、人間の構造的な部分で猫背体型になりやすい特徴があるため、そのような生活習慣が続くと、猫背化は進みます。
人間の頭は、体重の軽い人でも5キロくらいはあります。そのため、少しでも頭が前になるような姿勢をとると、どんどん身体が前に丸まるほうにもっていかれていくのです。さらに姿勢を悪く座ったりすることで、骨盤が後ろに傾き腰が丸くなり、そこから上半身も丸くなり猫背体型が完成されていきます。
猫背体型を解消するには
姿勢改善をしていく際に大事なのは、緩んでいる筋肉を鍛えていき、固まっている部分をストレッチ・マッサージで緩めることです。現状でバランスが悪くなっているところに対して、その逆の刺激を与えてあげることがケアの基本となります。
猫背体型で、バランスが悪くなっているのは、骨盤周りと脊柱です(下記画像の中央の蝶のような形をしている骨が骨盤。その中央から伸びている、棒状の骨が脊柱、いわゆる背骨です)。
そこで本記事では、パーソナルトレーナーである筆者が、クライアントにも指導している猫背改善のストレッチをご紹介します。自分でもいますぐできる範囲の内容なので、ぜひ実践してみましょう。
猫背体型で弱くなっているのは腸腰筋と脊柱起立筋
猫背体型で、弱くなっているところは、腸腰筋(ちょうようきん)と脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)の2つの筋肉です。この弱くなっているところを鍛えることで、猫背方向に引っ張られている骨格を逆に戻していきます。
腸腰筋とは
腸腰筋は、股関節の前側の筋肉です。腸腰筋は、股関節の前側についており骨盤を前方に傾ける機能があります。猫背の人は、この筋肉が弱いため骨盤が後ろに傾くように引っ張られてしまっているのです。
脊柱起立筋とは
脊柱起立筋は、背骨のS字カーブを正しいカーブにしている筋肉です。この筋肉が弱くなると、背骨が重力と頭の重さに耐え切れなくなり、背中がどんどん丸くなります。
それでは、それら2つの筋肉は鍛えるトレーニング方法をご紹介します。
腸腰筋のトレーニング方法・スクワット
1.脚は、腰より一足分広く開きます。
2.手は、立ったポジションでは気をつけ、しゃがんだポジションでは肘をひく
3.椅子に腰を掛けるようにおしりを降ろして、膝が90度くらいに曲がったところで立ち上がります
脊柱起立筋のトレーニング方法・バックアーチ
1.うつ伏せに寝ます。
2.そこから、スーパーマンが飛ぶような姿勢でキープします。
なお、トレーニングに関しては、毎日しなくてもOKです。筋肉痛ある日はそれが取れるまで、しっかりと休んでください。
猫背体型で硬くなっている4つの筋肉(ストレッチするべき部位)
猫背体型で、硬くなってしまっている代表的な筋肉は4つです。この硬くなっているところをストレッチすることで、猫背方向に引っ張られている緊張をとっていきます。
ストレッチは、全体的に一つのポーズで30秒くらいは、行うようにします。できれば先ほど紹介した筋トレと組合せるのが理想なので、トレーニングが終わったらすぐにストレッチをしてください。
1.大殿筋(だいでんきん)
お尻の筋肉です。お尻の筋肉は、骨盤の後面に広くついていてそこから、大腿骨(大腿骨は、太ももの部分の骨です)についています。骨盤を後ろの面から引っ張り大腿骨の方向に引っ張っているので、腰が丸くなるような骨盤のポジションになります。
2.ハムストリング
腿の裏の筋肉です。腿の裏の筋肉は、骨盤の下の方についておりそのまま膝周りの骨についています。そのため、骨盤を下の方に引っ張って、腰が丸くなったような体型を作ります。
3.大胸筋
胸の筋肉です。上半身の部分では、胸の筋肉が多くかかわっています。とくに大胸筋は肩を前に丸めるようにする機能があるので肩から背中の丸みを作っているのは大胸筋です。
4.小胸筋
胸の筋肉で、大胸筋の下にもぐるようについているのが小胸筋です。小胸筋は、肩甲骨を前方に倒すように機能しています。そのため小胸筋が硬くなってくると背中の丸さが目立つようになります。四十肩や五十肩の原因も小胸筋の硬さが原因です。
大殿筋のストレッチ方法
1.伸ばしていきたい側の脚を反対側の脚にかけます。
2.4の字のようなポジションをとります。
3.伸ばしている脚を自分の胸に近づけるようにするとストレッチが強くなります。
ハムストリングのストレッチ方法
1.長座で、座ります。片ひざを折って片方づつストレッチを行っていきます。
2.伸ばす方の足のつま先をつかんでストレッチをしていきます。
大胸筋のストレッチ方法
1.壁に手をかけます。肩の角度、肘を90度くらいに固定してポジションをとります。
2.身体をひねるようにしていくと、ストレッチがかかります。
小胸筋のストレッチ方法
1.座って両手を椅子につきます。
2.お尻を前の方に出して、首をすくめるようにします。
3.さらに、肩甲骨を後ろによせます。
ストレッチは、日常生活で硬くなっている筋肉を緩めていくので、毎日行うようにしましょう。毎日の日常生活の身体の緊張をストレッチでリセットして、次の日を迎えるようにしましょう。
本記事のまとめ
猫背体型を解消することで、慢性的な肩こりを解消することにもつながってきます。整体やカイロプラティックなどに通うのも良いですが、症状が軽ければ自分自身の努力でも十分にに解消できるケースが多いです。
今回紹介したトレーニングとストレッチを行って、健康的な生活習慣を手に入れながら猫背体型、肩こり解消をしていきましょう。