子どもの腰痛の原因と対処法@大人だけの悩みではありません!
子どもの頃は肩こりや腰痛なんて無縁だったのに、大人になってから「腰の痛みに悩まされるようになった」と感じる人も多いのではないでしょうか。
腰痛は大人に起こりやすい症状で、子供には関係ないと思われがちですが、実は近年、子どもにも腰痛が増えていると言われているのです。そこで今回は、子どもに発症する腰痛の原因と予防、対処法について紹介します。
子どもの腰痛の原因
子どもの腰痛の原因は、激しいスポーツや生活習慣、食生活の変化、骨格や体型によって起こることが多いと言われています。まずは子どもの腰痛の原因を確認してみてください。
1.スポーツなどによる腰痛
習い事や部活でスポーツをする子も多くいます。成長期にある子どもの脊椎は、まだ柔らかく未熟なため、激しい運動は大人以上に腰の負担となります。そのため、スポーツによって筋肉に疲労が蓄積し、腰痛が起こる場合があるのです。
もちろん、筋肉の疲労がそのまま貯まってしまうと腰痛も治りません。日頃からよくストレッチをして、筋肉をほぐすようにしておきましょう。
また、お尻からこけて腰に衝撃を与えると『急性腰痛症』になり、『脊椎分離症』や『椎間板ヘルニア』などの病気になってしまう場合もあるので注意が必要です。
2.筋力の低下
近年、子どもの筋力の低下が指摘されています。外で遊ぶよりも家でゲームをして遊ぶ子も多くなりました。運動する機会が少ない子どもは、腰を支える腹筋や背筋が弱くなり、その部分を痛めやすくなります。
筋肉が少ないと衝撃がそのまま脊椎や腰椎に伝えられるため、脊椎や腰椎が損傷や炎症を起し、腰痛が起こるようになるのです。
3.姿勢の悪さ
筋力の低下は姿勢の悪さにも影響します。子どもの骨は柔らかく、悪い姿勢を取り続けると脊椎のS字カーブが歪み、体のバランスが悪くなり腰痛を引き起こすのです。
そのまま成長すると歪みもひどくなり、大人になったときに慢性腰痛になることも珍しくはありません。さらに姿勢の悪さは腰痛だけでなく、肩こりや視力の低下にも繋がります。
4.肥満
腰は身体全体の体重を支える重要な役割を担っています。そのため、標準体重がオーバーすると、腰回りへの負担が大きくなり腰を痛めやすくなるのです。
子どもの肥満は腰痛だけでなく、生活習慣病を引き起こす原因にもなります。将来大きな病気の引き金にもなるため、子どものうちからメタボ対策を心がけるようにしましょう。
5.ストレス
子どもも大人と同じように、ストレスから腰痛になることもあるのです。学校生活や友達関係など、大人が気付かないうちに子どもたちはストレスを溜めています。ストレスを感じると自律神経の働きが悪くなり、それによって腰痛が起こるのです。
また稀ではありますが、脊椎側弯症(せきついそくわんしょう)や白血病などの病気が原因となって、腰に痛みがおこることがあります。痛みが続く場合は、きちんと病院で診てもらうようにしてください。
子どもの腰痛を改善させる方法
もし我が子が腰痛になったら、どのように改善すればよいのでしょうか。そこで、3つのポイントを紹介します。
1.正しい姿勢を身につけよう
腰痛の改善には正しい姿勢をすることが大切です。ただし口やかましく、「姿勢を正しなさい!」と言っても本人が気を付けなければなかなか難しく、お互いにストレスになることもよくあります。
子どもにきちんと説明して、納得してもらうことも大切です。それでも姿勢が崩れる場合は、姿勢を正しやすい椅子や座布団、矯正ベルトなどを使ってみるのもよいかもしれません。
2.ストレッチをやってみる
子どもでもできる、簡単なストレッチをしてみるのも方法です。
1.床にあお向けになり、膝を立ててください。
2.床に両足を着けたまま、ゆっくりと右に膝を倒します。このとき、無理に膝を床に着ける必要はありません。できる範囲で倒してください。
3.倒せるところまで倒したら、ゆっくりと元の位置に戻ります。
4.反対側も同じようにおこないます。
3.一日1時間程度、運動をする
毎日適度に体を動かすようにしましょう。過激な運動は反対に腰に負担をかけてしまいますが、友達と外で遊ぶ、親子で散歩をするなど、負担が無い程度に運動をしてみてください。
運動をすることで、筋力がつきます。肥満やストレス軽減にもなるためおすすめです。
子どもが腰痛にならないようにするためには
腰痛になってから痛みを取るのではなく、できれば普段から腰痛にならないようにしておく方が良いですよね。子どものために日頃、気を付けておくべきことを確認してみてください。
食生活に注意する
食事は生きるためにもとても大切なものです。偏った食生活、高カロリーの食事は肥満や病気の原因になります。きちんとバランスを取れた食事をすることで、健康的な体をつくることができます。
ジュースやお菓子の食べ過ぎも体にはよくありません。大人になってから食生活を変えることは難しいため、子どもが小さいうちに、食生活を整えるようにしてください。
ストレスを軽減してあげる
子どもにとって生活環境はとても重要です。ストレスの多い環境で育つと、ストレス耐性が低くなり、ちょっとしたことで心が折れてしまいます。これは子どもだけでなく、大人でも同じことがいえるはず。
できるだけ子どもの話を聞き寄り添ってあげることで、「家は安心できる場所」となり、多少のストレスにも強くなるのです。
ゲームやスマホの使用を制限する
ゲームやスマホを長く使う子どもは、外で遊ぶ時間も短く、運動不足になりがちです。姿勢も悪くなり、腰への負担や肩こりにもなります。ゲームやスマホを禁止にするのではなく、きちんと親子で使い方や、使用時間を話し合うようにしましょう。
まとめ
子どもの腰痛の原因には「スポーツによるもの」「運動不足」「肥満」「ストレス」など、多岐にわたります。
昔とは違って、生活の変化も大きく影響しているのです。大人であれば「腰痛の原因はこれだな」と思い当たることもあるでしょう。しかし、子どもの場合「なぜ腰が痛くなったの?」と聞いても「分からない」と答えることも多いはずです。
しばらく安静にしても腰痛が改善されない場合は、きちんと病院で診てもらうようにしてください。また今は何もなくても、日頃の生活を見直すことで、腰痛の予防になることを覚えておいておきましょう。